彼の運転する船で釣りに

瀬戸内海の島で育った彼は、元々船の免許を持っていて、この春、価格的に満足のいく中古の船が売り出されているのを偶然知り、彼のお兄さんと折半で購入したようでした。

三回の試運転の後、ようやく私にも乗船のお声がかかり、マリーナから三十分くらい走ったとある島付近で釣りをすることにしました。

私物の船など乗るのは初めてで、ましてや、釣りなど片手に余るくらいしか経験がないので、心配でしたが、そこは、海育ちの彼がリードしてくれて、釣りに必要な準備は全て揃えてくれたので、お昼ご飯だけを持って乗り込みました。

初めてみる彼の船は、運転席の下に大人三人位が十分寝泊りできるくらいの部屋がある、想像以上に立派なものでした。

天気は爽やかな快晴で、日焼け止め対策もばっちりで、いざ出航。波をたてながら海岸を後にすると、見慣れた景色が一変、海からみる海岸の美しさに、はっとさせられました。小高い丘に建つお寺、古い町並みも、いつもの風景なのに随分違って見えました。

十分くらい船を走らせると、彼は魚群探知機をにらみながら、魚を群れを探し始めました。そのうちポイントを決め、イカリを下して、さっそく釣りの開始です。

まずは竿をセットしたら、私の恐れていた針への餌つけです。

釣り初心者の私には、とうてい無理なので、彼にお願いしました。乗船前に購入した、フレッシュなゴカイ(ミミズのような生き物)をちぎって、針につけてもらい、竿を一投。

ものの五分ほどで引きがあり、釣りあげてみると、かかっているのは20cm位の立派なキスでした。

彼も順調に次々とキスを吊り上げました。入れ食い状態だったので、お互い会話もないまま必死で、正午を過ぎたころには、既にキスでクーラーが一杯になったので、早々に引き上げることにしました。

帰宅後、プロ並みに魚が調理できる彼に、早速、お造りと天ぷらを作ってもらい、夕日を見ながらの晩酌で、楽しい一日が終了しました。

六月には海岸沿いで、花火大会があるので、今度は友人達も誘って、船から見ようと約束しました。

今から楽しみで、ワクワクしてます。