栄養が足りなくなると、どうなるの?

分子整合栄養医学では栄養と健康を深く結びつけて考えています。

人間の身体は、およそ60兆個の細胞が集まってできています。そして、人間の体は食べ物をいっぱい食べれば丈夫になって、何も食べなければ痩せ細ります。つあり、細胞はすべて、食べた栄養で作られているということです。

細胞が集ることによって構成されている皮膚や髪の毛、胃・大腸・肝臓・心臓などの臓器、血液、ホルモン、酵素、抗体、神経伝達物質といったすべてのものが食べた栄養がもととなってできているのです。

人間の身体に必要な5大栄養素は、タン白質(アミノ酸)、脂質、糖質・炭水化物、ビタミン、ミネラルと言われていますが、これらの栄養素が人間の身体を作るためには欠かせない材料なのです。これら5つの栄養素の各々の働きについては、すでによくご存知だと思いますが、タン白質、脂質、糖質・炭水化物はエネルギー(カロリー)源となり、ビタミン、ミネラルは身体の調子を整えます。

そして、これらの中でも3大栄養素と言われるのが、エネルギー源となるタン白質、脂質、糖質・炭水化物です。ただし、タン白質はエネルギー源になるのはほんの一部で、大部分は骨、血液、内臓、酵素、ホルモン、神経伝達物質などの材料となります。

ですから、「これらはどれも同じカロリー源なのだから、トータルでカロリー計算して食べればよいのでは」などと思ったら大間違いです。

この3大栄養素のバランスをとることも重要で、たとえば、食べる内容が脂質と糖質・炭水化物に偏っていると、脂肪が蓄積するだけでなく、タン白質、ミネラル、ビタミンといった、他の栄養素が不足してきます。こうした栄養バランスの偏りが、今、多くの現代人に見られるのです。

では、タン白質、ミネラル、ビタミンが不足すると、一体どのようなことが起きるのでしょうか?

細胞は各々、分子(栄養素)のやりとりをして生命活動を維持しています。この細胞を構成する主な材料が、タン白質、ミネラル、ビタミンです。したがって、これらの栄養素が不足すると、個々の細胞が本来あるべき分子濃度を保てなくなります。すると細胞の働きがどんどん低下してきて、やがて機能しなくなります。

つまり、細胞が機能しなくなるというのは、分子のやりとり、すなわち栄養素のやりとりがうまくいかなくなるということです。栄養が行き渡らなければ、当然、細胞が脆弱になって壊れやすくなります。そうなると、身体にさまざまな不調が現れてくるようになりますが、これが未病の状態です。そして、細胞の栄養不足が改善されないまま未病が悪化すると、やがて一層深刻な症状が現れて、病気が発症します。ほとんどの慢性疾患はだいたいこのような経緯で起こります。

人間の身体は薬で構成されているわけではありませんし、薬の成分が体内で不足したから病気が発症するわけでもありません。人間の身体はすべて食べた栄養で作られていて、必要な栄養素が不足するから病気になるのです。